犬にしてくれ。っていうか猫にしてくれ、
音楽なしで文章を書くのは初めてかも。ってそれは嘘かも。
「24時には帰ろうね」って口約束。
23時10分着の電車で帰ってくる私を待ってくれてた。
駅からの帰り道「遠回りして帰ろう」って私は言った。
別に長く一緒にいたいからそう言ったわけではなかったのに、あえてそう聞こえるように言った。
たった一回来ただけなのに当たり前みたいになってる公園でお互い少し離れた椅子に座った。
モルモットの鳴き声の話とか、よく見かけるホームレスの話とか、今日見た映画の話とかをした。
隣のコンビニで殴り合う外国人を遠くから見た。
時々沈黙になると私の方をじっと見つめてくるの、ずっと気付いてたけど気づかないフリをした。
明日も仕事だしもう帰ろうかって私が言って、公園を出たのは結局1時過ぎ。
遅くまでごめんねって謝る私に「何がごめんねなの」ってとぼけた彼は途中で出会った野良猫相手に15分は遊んでた。
たしかに何がごめんねなんだろうと思わせてくれた。
もう人生ですることないと思ってた自転車の二人乗り。高校生に戻った気分。
久々に浴びる風がほんとうに心地良くて、自分の人生にもこんな楽しい瞬間がまだ残ってたんだなんて、馬鹿みたいでありきたりだけど本気で思った。
背中から香水の香りがして切なくなって、曲がり角で怖いって言いながらそっと背中に触れたのはわざとだった。
人に触れたいなんて思ったの初めてかもってちょっと怖くなった。
全部嘘なら良いのにな。
嘘だけど。